データプランに書かれた通信速度は、普段していることに置き換えてみるまでは外国語のようなものです。置き換えてみると意外なことがわかります。旅行中の一日の大半は、みんながお金を払っている速度のほんの一部で足りるのです。しかも動画配信やビデオ通話のサービスは自ら目安を公開しているので、推測に頼る必要はありません。
基準を決めている当人たちの数字
YouTubeのヘルプセンターが推奨する速度は、360pで0.7Mbps、480pで1.1Mbps、720p HDで2.5Mbps、1080pフルHDで5Mbps、4Kで20Mbps。
Netflixの推奨は、HDで3Mbps、フルHDで5Mbps、4Kで15Mbps。
Zoomは音声通話で60〜80kbps、快適な1対1のビデオ通話で600kbps、720pのビデオで1.2Mbps。
この数字を頭に入れておいてください。以下はすべてここから導かれます。
512kbps:スマホの一日の仕事はこれで足りる
メッセージ、WhatsAppやTelegramでの音声通話、地図とナビ、配車、支払い、メール、メニューの翻訳、フライトのチェックイン、標準音質の音楽。どれも512kbpsに楽に収まります。ウェブページの表示がワンテンポ遅くなるだけで、使えなくなるものはありません。
それが「ベーシック」プランの考え方です。たくさん使う場面のために毎日たっぷりの高速データがあり、そのあとはその日の終わりまで最大512kbps。私たちのいちばん安い価格です。スマホを観るためより移動するために使う旅行者には、移動に使うなら棚の中でいちばんお得な選択です。
1Mbps:家族とのビデオ通話、スマホ画面での動画
1Mbpsあれば1対1のビデオ通話はスムーズで、SNSのフィードもスクロールに合わせて読み込まれ、YouTubeは360pから480p近くで再生できます。スマホで観るぶんには、ほとんどの人が気づかない画質です。プランが「移動に困らない」から「暮らせる」に変わるのが、このラインです。
多くの旅行者にとってちょうどいいのがここで、それが「デイリー」プランです。ほとんどの渡航先で、毎日の高速データを使い切ったあとも1Mbps。「ベーシック」から少し上乗せするだけです。
5Mbps:サービス自身の基準でフルHD
5Mbpsは、YouTubeとNetflixがそろって1080pフルHDに挙げている数字そのものです。ということは、静かに画期的なことが起きます。毎日の高速データを使い切ったあとも最大5Mbpsが続くプランは、その数字に照らせば、ひと晩じゅうフルHDに足りる速度です。実際の速度を決めるのは周りのネットワークです。上限になるのは速度で、減っていくギガ数ではありません。
数字にしてみましょう。5MbpsでフルHDを1時間観ると約2.2GB。毎晩3時間を1か月続けると約200GB。どんな定額容量のパッケージも数日で使い切り、「無制限」をうたう一部のプランでもフェアユースの上限に引っかかる量です。
10Mbps:余裕
10MbpsならフルHDにまだ余裕があり、スマホの横でノートPCをテザリングしたり、2人で1回線を分け合ったりできます。YouTubeは1440p(2K)の目安を公開していません。実際には10Mbpsで足りることが多いのですが、誠実な人ならそれを約束はしません。実際の速度を決めるのは周りのネットワークだからです。
小さな文字を、はっきりと
すべてのプランのすべての速度は、私たちのものも含めて「最大」です。混雑した基地局、建物の奥、都市から離れた場所では、実際の速度は下がることがあります。物理法則はどの事業者にも変えられません。それでも明記された速度があれば、自分で選んだ「下限」ははっきりします。支払い前にどこまで落ちるかがわかり、同意していない低速に黙って落ちることはありません。
結論
足りなくなる不安ではなく、何をするかで選びましょう。移動中心なら「ベーシック」。家族とのビデオ通話やスマホでの動画なら「デイリー」。フルHDやノートPCのテザリングが大事なら「スピード重視」。必要な速度にお金を払い、使い切れないギガに払うのはやめましょう。